[VSHRT] 姉弟が語る

 姉弟が語る



ヴケルヅシィツコルクァは、ある人々の希望の種から創立して存在するアカデミー、

 

そのアカデミー内に有る「トッリーティンキィ」というフェアリー庭では、誰にも知られていない、メンバーでもない少年少女が、姿を晒して遊んでいる。


「縫い包みに殺された?」

「殺された。想像以上に強かったぜ相棒」


少女はその呼び方が気になって仕方なく、笑いながら反論した。

「相棒なんて言わないでくれる?ちょっと気持ち悪いなオトウトよ」

「フフ、やはりか。『私たち』は兄弟以外、何もなれないしね」

「それ以上でもそれ以下でもないこの関係は… 私たち…『 彼ら』にとって良い終末になれるのかな」


「さあ、どうだろうね」少年は肩を竦める

「僕が一番興味を持ったのは… あの暗い男と妬ましい女の関係かな」


「別に謎でもなんでもないでしょう?始まりを知るだけで結末まで解るものだわ」

「僕は貴女と違って、占いができないから」


「占いするまでもないわ。女の子なら誰でも大体予想できるんだもの」

「僕、女に見える見た目をしているんだっけ」

「あら、自分では自分を見えないものね。鏡の存在って知ってる?」

「…」

「ふふ、ごめんなさい。なんだか悪戯したくなる気分だわ」

「どうやら僕は、これからもっと女心の勉強をしないといけないらしいね」



占星術の教室… 星極北暗溶


一人の少年は紅木材の本棚の上に寝転んで天体望遠鏡を覗いている。


少年は無闇に問う。

「『無垢なる存在』という言葉は聞いたことがあるのかな?」


聞かれた人は背伸びをしながら答える。

「聞いたことがあるとしたら?聞いたことがないとしたら?」

「僕は、「貴女自身が気付いているか」と確かめたいだけだ」

「ほう...」


「可能性は、どんなに低くても可能性。99.9%不可能でも、あと0.1%は可能だ」

「その0.1%を信じるの?馬鹿みたいね」

「信じるさ。それこそ凡才と天才を分ける

ものなのだから」


白を切ることをやめた少女は、ニヤニヤと笑い、少年をおちょくった


Comments